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沿革・歴史

■一般社団法人 沿革・歴史



【昭和6年(1931年)竣工当時の旧洗足会館の外観】

【当時の田園都市株式会社経営の洗足住宅地平面図(第1期)】

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【洗足会館の沿革】

 旧洗足会館は昭和六年春竣工し、八十余年の歳月を保ったが、老朽化と地盤沈下の為に建て替えを余儀なくされ、平成二十三年新しい建物が竣工した。
これ迄の経緯は次の通りである。
 故渋沢栄一氏により発想された田園都市株式会社が設立されたのは、大正七年九月二日である。
 大正十一年、洗足地区を田園調布に先駆けて、約五万五千坪を三百五十三区画として分譲した。

その内住宅区は二階建てに制限し、各区画周辺は低い生垣とすることを条件にする等、環境整備が図られた。
 
大正十二年初頭には、応募者二百七十六名、陸海軍軍人、官吏、並びに実業界の中堅幹部が主流であった。
 
大正十二年二月、田園都市株式会社は住宅地購入者を招いて夕食会を開催し、購入者の希望を聞き、会社の意向も伝え、理想的な田園都市になるよう申し合わせを行った。
その席で田園都市洗足地区土地購入者暫定委員会を作る事となり、委員十六名が選ばれ、山屋他人海軍大将を委員長に選出した。
 
委員会はその後の会議で、十項目に亘る要望事項を決意し、四月二十一日会社に提出した。
その最大の問題点は、洗足地区が碑衾、平塚、馬込の三ヶ村に分属する為に生ずる様々な障害であった。
例えば小学校を地区内に作れない、保安設備が不十分である等の不満が多々生じたのである。
 
会社は五月十日に回答したが、要望の大部分に応える事が出来ず、代案として、宅地二百五十坪と金五万円を購入者に寄贈する事が提示された。
 
委員会は任意団体洗足会を昭和四年十二月二十日社団法人とし、これを受け入れる事とした。
 
社団法人洗足会は昭和五年秋、約三万円の予算を以って、会員伊藤文四郎氏に設計を依頼して会館を建設し、昭和六年春竣工した。落成式は会員、その家族等数百名を集めて挙行された。
 社団法人洗足会は、洗足会館の維持管理を主目的とし、会員に対しては講演会、講習会、座談会、並びに映画会等を開催し、地域住民に対しては、福祉活動、社会活動の用に供する為、会館設備の提供を行い、会館の有効利用を図ってきた。
 
昭和二十年第二次大戦の末期には、戦災を受けた付近の住民の受け入れ等を図ったが、そのため建築物、設備等は荒廃を免れなかった。
更に役員の独断的な行動もあり、戦後会館の運営は困難を極めた。
 
窮状を打破できたのは熱心な会員の努力の賜物である。

地域住民の為、各種教養教室を受け入れ、住民の福祉向上への努力を惜しまなかった。
その一例が小牧バレー団への協力であった。
小牧バレー団が戦後日本のバレーの振興に貢献したことは衆知のところであるが、その拠点は洗足会館であった。
 
社団法人洗足会はその地区が行政的に三地区に分属していた点がその創立の原因であったが、東京都となった今日、未だに品川区、目黒区、大田区の三区に分属している。
その為、洗足地区の住民はそれぞれ各区の中枢域から遠いという不利益を被っている。
例えば、区の出張所、住区センター、小学校、交番、消防署等々からの距離が遠い住民が多数いる。
各区の住民は町会の会合をするに当たっても、遠方に足を運ばなくてはならない。
これらを少しでも解消するため、洗足会館が活用された。
 
有効に機能した旧洗足会館も八十年の歳月を経て、建造物の老朽化が進み、かつ、地盤沈下の影響もあって、倒壊の危険を感ずるようになった。
特に平成十七年、建築物の耐震性が広く論ぜられるようになり、平成十七年五月、専門機関に会館の調査を委託したところ、耐震性に大いに問題がありと指摘された。
理事会に於いて論議し、洗足会館は建築的に見ても歴史的な重要建造物であるので、そのまま残すことが出来ないかとの議論もあったが、安全性と経済性の二点から、残念ながら解体という結論に到達した。
 平成十九年七月、一時閉館とし、それまで、教室を開く等で有効に使用して居られた人々に対し、一時退去をお願いし、小牧バレー教室を除いて快く賛同して貰うことができた。
 バレー教室については、訴訟問題にまで発展して四年に及ぶ長い折衝の結果、高裁の判決により、社団法人洗足会の勝訴となった。
 
平成二十二年八月、土地の有効利用をはかる為、共同住宅を新築し、その一部を洗足会館として利用することを計画し、旭化成ホームズ株式会社との間で、工事請負契約を締結した。
 
平成二十三年秋建築工事が終了、その後洗足会館室内の充実を進め、平成二十四年三月二十日落成式を挙行することとなった。

一般社団法人 洗足会

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